まとめ
水と肥料は、植物が育つのに必要とする養分を与えるために必須です。水は通常、多くの溶解性物質を含んでおり、これらの物質の多くは水に溶け込んだ塩類です。
使用する水の溶解性物質が300PPMを超えるか、またはナトリウムだけで50PPMを超える場合は、水に肥料を加え、培養液を作る前に逆浸透膜浄水器を使って不純物を取り除きましょう。この簡単なプロセスを実施するだけで、養分欠乏を事前に予防し、養分欠乏によって起こり得る、あらゆる問題から解放されるはずです。丈夫で元気な植物は、それだけで害虫や病気にも強くなります。
水に肥料を加えて培養液を作る前に、水のpHを測定しましょう。ほとんどの肥料は酸性のため、水に加えるとpHが下がります。肥料を水に加えた後もpHを再度測定し、必要に応じてpH調整をしましょう。培養液のpHが安全な5.5~6.5内になるように、pH UpやpH Downを投入して調整しましょう。
定期的に培養液のECを測定しましょう。毎日同じ時間に、貯水槽の中と培地の両方を測定しましょう。貯水槽と培地の測定結果は近似値になるはずですが、もし差が大きいようであれば、培養液を交換しましょう。
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駆除とスプレー
害虫や病原菌は多くの場合、栽培場所を清潔に保つだけでも避けられます。枝葉や根を小まめにチェックし、害虫や病原菌の痕跡がないか確認します。栽培環境も調整し、植物が元気に育つことができる環境に整えましょう。しかし、どれだけ完璧にしていたつもりでも害虫や病原菌が発生してしまうことはあります。その場合は頑張って殺虫&殺菌しなければなりません。まず、被害の程度を確認し、問題の害虫や病原菌を特定する必要があります。場合によっては、殺虫&殺菌に必要なものを買うことになります。
!注意事項!
●スプレー液は、食用作物に使用することのできる認可を得たものだけを使いましょう。
●有害物質は絶対に使わないこと!
●溶液を使う前に説明書をよく読みましょう。
●殺虫剤や殺菌剤の類は使用直前に混ぜましょう。
●オーガニックやナチュラルな成分を使っているものでも、使い過ぎに注意しましょう。
●スプレーする際には、葉の両面・茎へ満遍なくスプレーしましょう。
●スプレーをして24~48時間経ったら、真水のスプレーで洗い流しましょう。
●エアゾールのように霧状のスプレーを使う際は、マスクなどをしましょう。
●危険がないよう、照明器具は上げてスプレー液がかからないようにしましょう。
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病気
灰色カビ病(ポトリチス)は、暖かく湿った環境で発生し致命的です。初期の頃は、綿埃のような毛羽立ったもののように見えますが、次第にヌメヌメしてきます。比較的乾燥した状態では、茎や花に焦げ茶色の斑点となって出現します。茎・葉・種などを侵食し、立ち枯れの原因になります。灰色カビ病を予防するには、空気の循環と換気をしっかりし、清潔な培地を使いましょう。感染した枝葉は、アルコールで消毒したハサミなどで切り取り、速やかに廃棄します。すぐに手や道具を洗って消毒しましょう。
立ち枯れ病も致命的です。芽の出たばかりの種の生長も止めてしまいます。苗や挿し木は、根元から腐ってしまいます。生長した植物の場合は、枝葉が黄色くなり、茎が腐ります。初期症状として根元に近い茎が細くなり、続いて色が黒ずみ、最後には植物全体が倒れてしまいます。培地の湿度を管理して予防しましょう。また、種には殺菌剤を軽くかけておきましょう。
ヌルヌルとした緑藻類が発生するには、養分・光・生えることのできる湿った場所が必要です。緑藻類は、光のあたる湿ったロックウールやその他の培地に生えます。緑藻類は特に支障はないのですが、pHを高くしたり、キノコバエなどの害虫を引き寄せてしまいます。培地に光が当たらないように遮光し、培養液に殺菌剤を混ぜましょう。
饂飩粉(ウドンコ)病とは、植物の茎や葉の表面が、うどん粉を振りかけたように白くなる病気です。植物の生長は遅くなり、葉は黄色くなり、やがて植物は枯れてしまいます。ひんやり・薄暗い・汚い・湿った、そんな環境にならないように気をつけましょう。空気の循環や換気をしっかりし、十分な光を与え、過剰な窒素の投与を避けましょう。市販の薬剤や重曹を飽和点まで水に溶かしたものをスプレーして対応します。
根腐れでは、根が焦げ茶色になり、生長が遅くなり、葉の変色が発生し、やがて植物全体が枯れます。根腐れの原因は、酸素不足と水浸しになった培地にあります。フレッシュで無菌の培地を使い、栽培室を清潔に保ちましょう。カルシウム量を十分に維持しつつ、窒素の過剰投与に気を付けましょう。水耕栽培の場合、pHは6.0以上を保った状態で、Bio-FungusやRootShieldを投与します。
フザリウム立ち枯れ病とバーティシリウム萎凋(イチョウ)病の初期症状では、小さな斑点が生じ、すぐに古い下側の葉が枯れ始めます。枯れ始める前に、葉の先端が丸まることもあり、急速にカラカラに枯れたりします。植物の一部、または全体が突然枯れてしまいます。栽培室の清潔さを保ち、フレッシュで無菌の培地を使い、窒素の過剰投与に気を付けましょう。フザリウムにはトリコデルマ菌を、バーティシリウムにはBio-Fungusを使って対策します。種は植える前に殺菌剤で処理しましょう。
害虫
屋内栽培ではハダニはよくある問題です。ハダニは植物の葉の裏側で植物の液汁を吸っています。ハダニがいると、葉の表面に小さな黄色っぽい跡ができます。異常繁殖している場合、霧吹きで水を吹きかけると蜘蛛の巣状の糸が見えることがあります。虫眼鏡(10~30倍)を使って、ナミハダニ・アカムシ・ミカンハダニを識別し、半透明の卵も確認できます。ハダニの駆除方法は、①定期的に手入れをする。 ②湿度と温度を上昇させる。 ③除虫菊やニーム油を霧吹きで植物にかける。 ④肉食のダニを入れる。 ⑤市販の薬剤をポットの縁と茎に塗る。
アブラムシは虫ピンの頭ほどの大きさがあるので、肉眼でも確認できます。羽根があるものとないものがあり、いずれもネバネバした甘い汁を分泌します。アリがこれを好んで食べるので、もしアリを見かけたら注意してアブラムシを探してみてください。アブラムシは植物の液汁を吸い、結果として葉が黄色く、しおれてしまいます。少なければ手で取り除き、多ければ園芸用殺虫剤で撃退!当然、アリも駆除しましょう。クサカゲロウやテントウムシといった天敵を入れるのも有効です。
コナジラミは葉の揺れに乗じ、葉から葉へと飛び移ります。成虫には羽根があり、1mm程の小さな蛾のようです。葉の裏側に卵を産み付けます。コナジラミがいると葉の表面に白い点描が出現します。駆除するにはハエ取り紙を植物と植物の間にぶら下げます。自然界での天敵はオンシツヤコバチという蜂の一種です。園芸用殺虫剤・除虫菊・ニーム油などを5~10日間隔で投与して駆除します。
小さな羽根の生えたアザミウマは、肉眼では見えにくい害虫ですが、見つけ出すのは簡単です。枝を振ってみた時、落ちたアザミウマは、途端に走って逃げ始めます。アザミウマは植物の葉の表面を削り取りながら液汁を吸うので、葉の表面に薄黄色い点描が出現します。葉は硬くなり、アザミウマの糞が点々と付着します。アザミウマは葉や花にくるまる習性もあります。肉食のダニやハチ、ニコチンの入ったスプレー、除虫菊や園芸用殺虫剤で駆除します。
キノコバエの幼虫は4~5mm程度まで成長し、頭が黒く、体は半透明です。羽根の生えた成虫は灰色か黒で、足が長いのが特徴です。この害虫は培地や根に繁殖し、根を食べながら傷つけていきます。植物は元気を無くし、枝葉は色あせ、傷口から病気に感染しやすくなります。市販の薬剤を使って駆除します。ニーム油などで培地を洗います。
トラブルの誤診
室内栽培で生じるトラブルは、肥料の過不足の問題と誤診されることがよくあります。実際には、病気や害虫による問題であることも多いのです。それ以外にも、培養液や培地のpH異常によることもあります。水耕栽培の場合、pHは5.5~6.5の間を維持することで植物の円滑な養分吸収が可能になります。
温度と湿度も生長に影響します。その植物に最も適した理想の状態をキープしましょう。培養液の温度も定期的に計測し、16℃以下になっていることを確認しましょう。培養液中に過剰なナトリウム(50PPM以上)が含まれていると、根からの水や養分の吸収の妨げとなります。
植物に何らかの兆候が現れた時には、すでに養分欠乏などのストレスがかかっていることとなります。丈夫で元気な生長を回復するには、多少時間がかかります。病気や害虫による問題症状を、養分の過不足との誤診は絶対にダメ!
もっとも一般的なトラブルを回避するために、温度・湿度・照明を正しくコントロールしましょう。水は常に清潔なものを使い、その時に必要とするすべての養分を十分に含んだ液肥を使用し、培養液のECとpHを正しく保ち、週に1回は貯水槽の培養液を入れ替えましょう!
管理ミスによるダメージの一例 ①換気不足:生長が遅く、葉が下向きに丸まってしまう。 ②光量不足:生長が遅く、枝は細く、節と節の感覚が開く。 ③過剰湿度:生長が遅く、葉が下向きに丸まってしまう。 ④湿度不足:稀にしか起きないが、水を異常に吸収する。 ⑤高過ぎる温度:生長が遅く、葉が垂れ下がってしまう。 ⑥低過ぎる温度:生長が遅く、紫色がかり、花をつけない。 ⑦スプレー投与ダメージ:焼けたような跡が出る。 ⑧オゾンによるダメージ:葉に焼けたような斑点が生じる。 ⑨過剰注水:生長が遅く、葉がしおれてしまう。 ⑩注水不足:生長が遅く、葉がしおれてしまう。 ⑪照明焼け:葉に焼けたような斑点が生じる。 ⑫屋内大気汚染:生長が遅く、見るからに病的になる。
予防
カビや害虫の発生を予防するには、清潔さを保つことが重要です。床や栽培システムなどを常に清潔にしましょう。ガーデナー本人や使っている器具も、目に見えないカビの胞子や害虫を運ぶことがあります。これもまた、清潔さを保つことでかなり予防できます。
清潔な器具を使い清潔な服を着て作業することで、これらの問題をかなり軽減できます。屋外用と屋内用の器具をそれぞれ用意すれば、清潔さが保ちやすくなります。害虫や病原菌は、汚染された器具を媒介して植物から植物へと感染します。
病気持ちの植物を触った後は石鹸で手を洗いましょう。また、虫だらけの屋外のガーデンをブラブラした後、そのままあなたの大切な栽培室には入らないようにしましょう。ただ庭を歩いたり植え込みに軽く触れたりしても、害虫や病原菌がつくことがあります。外から戻ってきた猫や犬などのペットにも要注意!観葉植物やプレゼントの花束にもリスクがあります。このような問題を回避するには、とにかく手を洗い、いくつかの現実的な予防策を講じるのがベストです。
病気や害虫に強い品種を栽培しましょう。植物が元気な状態を保てるようにするためには、新鮮な空気の循環、湿度は50%前後、温度は昼間で約24℃、夜間は昼間より約8℃低くなるように心がけましょう。




